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パイプオルガン 平和の調べ 17日 20周年の節目 西区の無料演奏会人気

 ホテル広島サンプラザ(広島市西区)のロビーで定期的に開かれているパイプオルガンの無料コンサートが17日、20周年の節目を迎える。市民から平和を願って寄贈されたオルガンで、エリザベト音楽大の非常勤講師、吉田仁美さん(64)=佐伯区=が「音色と寄贈者の思いを知ってほしい」と演奏。毎回人気を集めている。

 高さ5・1メートル、幅2・9メートルで、758本のパイプを備える。1階吹き抜けに置かれ、コンサートの他、結婚式で年に数回演奏されている。2003年、入市被爆者の船越聖示さん(94)=同区=が「国際平和文化都市ヒロシマの財産に」と私財を投じて市に寄贈した。

 演奏者団体を通じて船越さんの思いを知った吉田さんは、同年から手弁当でコンサートを始めた。「演奏者の手元が見え、息づかいを感じる距離の近さ」が好評で、毎回約200席が埋まる。最近は年4回開催しており、広島のプロ演奏家たちを招いてクラシックから童謡までさまざまな音楽を届けている。

 17日は午前11時から。バイオリン、ソプラノ歌手と協演し「アベ・マリア」や「愛の讃歌(さんか)」など十数曲を披露する。同プラザ☎082(278)5000。(新山京子)

(2024年3月15日朝刊掲載)

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