×

ニュース

運営団体の要望配慮 広島県、エソール立地で

 広島市中区大手町の複合ビルおりづるタワーに入る広島県女性総合センター「エソール広島」を巡り、運営する県男女共同参画財団など3団体が旧建物からの移転先として広島バスセンター(中区)近くや平和を感じられる場所を県に要望していたことが分かった。県は「最大限配慮する必要がある」として同タワーへの入居を決めていた。

 中国新聞の情報公開請求に対し、県が関連資料を開示した。3団体は県などが所有する中区富士見町の旧建物に入居していたが、再開発に伴い解体されるのを前に2017年9月、県へ要望書を提出していた。

 要望書は「不本意ながら移転もやむを得ない」とし、移転候補地として、バスセンター近くの利便性の良い場所▽新しい建物で30年は入居できる▽平和を希求するミッション(使命)を感じられる▽情報通信技術(ICT)に対応した仕様―の4点を求めていた。

 県は18年2月から原爆ドームそばの同タワー10階を借り、3団体に無償で提供。同タワーの年5千万円近くの賃料を巡っては、県議会内に「高過ぎる」との声がある。

 同財団は要望の理由を「県東部や北部から来るにはバスセンター近くが便利。財団は被爆後の廃虚から立ち上がってきたとの思いもある」と説明。県わたしらしい生き方応援課は「県の事情で旧建物が取り壊されたため、要望に配慮した」としている。(河野揚)

(2024年3月19日朝刊掲載)

年別アーカイブ