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阿多田島住民に米軍機騒音調査 岩国と廿日市の市民団体

 米軍岩国基地(岩国市)の北東約6キロの大竹市の阿多田島で、岩国市と廿日市市の市民団体が米軍機の騒音ついて住民アンケートに取り組んでいる。2018年3月の空母艦載機移転完了以降、深刻化する被害実態を把握、発信するのが狙いで、初めての試み。

 岩国市の「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」(瀬戸内ネット)と廿日市市の「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会」の2団体。

 島内の自治会に加入する全84世帯に2月下旬、調査書を配り、騒音による困り事や、うるさいと感じる時間帯などを質問。メンバーが島へ出向いて16日までに計43世帯分を回収し、9割に当たる39世帯が騒音で困っていると答えたという。郵送も含め今月末まで回答を待ち、4月中旬をめどに結果を公表する。

 島は、岩国基地を離陸する航空機の飛行ルート直下にあり、中国四国防衛局が島の漁協に設置する騒音測定器は22年度、70デシベル以上の騒音を4087回計測。17年度の2322回から7割以上増えている。瀬戸内ネットの久米慶典事務局長は「島民の声を発信し、関心を高めたい」としている。(長部剛)

(2024年3月19日朝刊掲載)

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