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被服支廠に響け被爆ピアノの音 住民団体が演奏会

 国の重要文化財で、最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(広島市南区)で31日、被爆ピアノを奏でる演奏会があった。一帯の清掃や見学会に取り組む住民グループ「わが町活性化委員会」が被服支廠への関心を高めようと初めて企画し、約150人が訪れた。

 市内で活動する合唱団など6組が出演。爆心地から2・6キロの南区段原地区の民家で被爆したピアノを使って歌や曲を響かせた。

 中区千田地区の小中高生たちでつくる千田パンフルート合唱隊は、被爆樹木を歌った「アオギリのうた」などを披露。核兵器廃絶に向けた活動に取り組むシンガー・ソングライターの瀬戸麻由さん(32)=呉市=は、被爆者への思いを込めて2曲を弾き語りした。

 安佐南区の吉原隆行さん(78)は「平和へのメッセージが自然に伝わってくる。この場所は音楽にもよく合う」と聞き入っていた。

(2024年4月1日朝刊掲載)

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