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核被害者の援助へ 政府は会議参加を 国際信託基金 8月にも議論 カクワカ広島 国会議員通じ働きかけ

 核被害者を援助する国際信託基金について議論する国際会議が8月にも開かれるのを前に、「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)が広島ゆかりの国会議員を通じて政府の会議参加を働きかけている。日本を広島、長崎の被爆者を支援してきた国と位置づけ、議論に貢献できると訴えている。

 2月から東京都内や広島県内で個別に国会議員を訪れている。3月25日には共同代表の田中美穂さん(29)=広島市西区=と東京の会社員玉木友貴さん(25)=佐伯区出身=が、被爆2世で福山市出身の立憲民主党の塩村文夏氏(参院東京)の国会事務所を訪ねた。

 2人は国際会議の開催を伝えた上で「周りの議員にシェアして、超党派の取り組みも考えてほしい」と要望。塩村氏は「被害者救済なら国は参加しやすい」と応じた。

 これまでに公明党の平林晃氏(比例中国)、自民党の寺田稔氏(広島5区)とも広島で面会。平林氏はその後の2月27日、衆院予算委で政府に核被害者支援の認識をただし、カクワカの活動を紹介した。

 国際会議は8月下旬にカザフスタンで開かれる方向で、カクワカは日本政府に信託基金への出資も求めている。被爆80年の来年3月にはカザフスタンが議長国を務める核兵器禁止条約の第3回締約国会議も控えており、田中さんは「核兵器廃絶へ前進する年にしたい」と意気込んでいる。(宮野史康)

核被害者援助のための国際信託基金
 核兵器禁止条約が6条と7条で定める核実験やウラン採掘の被害者の援助と被害地域の環境回復に向けた具体策として議論が進む。主導するカザフスタン政府は8月下旬にも基金の在り方を検討する会議を開く方向で検討中。禁止条約に未加盟の日本やドイツの招待を視野に入れている。

(2024年3月30日朝刊掲載)

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