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慰霊碑やドーム結ぶ「軸線」上 被爆敷石の道 基町小に完成 グラウンドに18メートル 平和学習に活用

 原爆慰霊碑や原爆ドームを結ぶ南北の「平和の軸線」上にある基町小(広島市中区)のグラウンドに、路面電車の被爆敷石を並べた石畳の小道ができた。同じ軸線上にある旧市民球場跡地に昨春できた遊歩道「ピースプロムナード」の被爆敷石をヒントに、同校の学校運営協議会が企画した。子どもたちの平和学習に役立てる。(頼金育美)

 グラウンドの一角で、敷石23枚を軸線の方向へ一列に並べ、約18メートルの石畳の道にした。被爆当時から市内の軌道敷で使われた敷石を広島電鉄(中区)から譲り受け、昨年12月に住民や教職員が敷き詰めた。

 今年2月には、平和記念公園を設計した建築家の故丹下健三氏による「軸線」の構想や、基町小が軸線上にあることを紹介するプレートを道路沿いのフェンスに掲げた。5年広瀬凌太郎さん(11)は「丹下さんがなんで軸線を作ったのか、もっと知りたくなった」と関心を寄せる。

 同校は2009年に、軸線を意識して被爆エノキの三世などをグラウンドの一角に植え、軸線の目印も埋め込んだ。その後、目印が土に埋もれ、教員の代替わりもあって関心が薄れたため、PTAや地域住民でつくる学校運営協議会が被爆敷石を敷くよう提案。神原久美子校長も「軸線という言葉だけだと忘れられてしまう。形にすると子どもたちに再認識してもらえる」と賛同した。

 協議会メンバーの植田成年さん(64)によると、軸線上に花を植える案もあったという。敷石の方が「広電は被爆当時どうだったんだろう」などと想像が膨らむと考えたと明かし、「子どもたちの学びが広がるきっかけになれば」と期待する。

(2024年4月1日朝刊掲載)

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