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「世界のヒバクシャ」認知2割 学生対象 平和意識調査

 創価学会中国学生平和委員会は、全国403校の大学や専門学校生を対象にした平和意識調査の結果をまとめた。核兵器の製造や核実験で被害を受けた「世界のヒバクシャ」の存在を知っていると答えたのは2割にとどまり、原爆被害への理解度と落差が浮かんだ。

 調査は28回目で昨年8、9月にインターネットなどで実施。2533人から回答を得た。

 核兵器使用の危機が高まる中、世界各地に核被害者がいるのを知ってもらおうと「ヒバクシャ」に関して初質問。存在を知っていたのは22%で、県出身者や県内在住者に絞っても同じ割合だった。広島市立大広島平和研究所の大芝亮所長は「世界中で核被害に苦しむ人がいることを力を入れて発信するのが重要」と講評した。

 一方、「核兵器がもたらす壊滅的で非人道的な結果」を「よく」「だいたい」知っているのは計9割に上った。ただ、核兵器廃絶を可能としたのは33%で前回比9ポイント減。委員会はロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ情勢が影響したとみる。

 平和のための行動を「したいと思うがしていない」は6割超いた。委員会メンバーで広島大1年の小沢和也さん(20)は「周囲に平和への行動を促せるよう、自分自身が行動的になりたい」と話した。(山下美波)

(2024年3月30日朝刊掲載)

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