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防衛省 25年度予算化へ 日鉄呉跡地 基本検討費 年内にも機能配置案

 呉市の日本製鉄(日鉄)瀬戸内製鉄所呉地区跡地への複合防衛拠点の整備案を巡り、防衛省が基本検討をはじめとする必要な経費を2025年度予算に計上する考えであることが29日、分かった。今夏の概算要求の前後に機能のゾーニング(配置)案の中間報告を広島県や呉市にする方針という。(長久豪佑)

 同省が29日公表した県、市、日鉄との4者協議の議事概要で判明した。同省によると、25年度予算に跡地の取得費は計上しない見通し。基本検討の中で具体的な設備の詳細を詰める。

 議事概要によると、同省は跡地の配置案を日鉄と協力して年内にもつくり、県や市などの関係者に説明するという。「早期の一括買収に向けた調整を加速していく」との考えを示していた。日鉄には跡地の構造物や埋設物の撤去などを依頼し、県と市を含む3者に土壌汚染対策が必要な場合の協力も呼びかけた。

 これに対し、県は「民間誘致を含む製造基盤」の内容や雇用規模、地元経済などへの影響の具体的な説明などを要請。呉市は日鉄に土壌汚染状況を真摯(しんし)に説明することを依頼していた。日鉄は同省の整備案を「社の方針に合致している」と評価し、配置案の作成に必要な情報を提供すると伝えていた。

 4者協議は28日に広島市中区で開催。4者の担当者が約40分間、冒頭を除き非公開で意見交換した。

(2024年3月30日朝刊掲載)

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