×

ニュース

遺品や絵 浮かぶ友の記憶 原爆資料館で企画展

 原爆で亡くなった旧制中学や高等女学校の生徒と、生き残った生徒の苦しみを伝える企画展「ともだちの記憶」が広島市中区の原爆資料館で開かれている。遺品や絵など約105点が並ぶ。9月10日まで。無料。

 広島県立広島第一高等女学校(県女、現皆実高)1年で同じクラスだった石崎睦子さん=当時(12)=と梅北トミ子さん=同(13)=は建物疎開作業中に被爆した。2人の日記からはクラス会の様子など日常が浮かぶ。1945年8月5日に「これからも一日一善と言うことをまもろうと思う」とつづった石崎さんは行方不明に。梅北さんは被爆2日後に亡くなった。

 被爆死した広島二中(現観音高)の生徒の制服、47年の広島一中(現国泰寺高)の健康調査票…。一中1年時に校舎で被爆した寄田享さん(2003年に71歳で死去)は医師となり、被爆した白血病の友人をみとり、映像で「本当に残念です」と涙ぐみながら語っている。訪れた長女の亀好俊恵さん(57)=佐伯区=は「父は晩年まで慰霊祭や同級生の墓参りに行き続けた」としのんだ。

 担当の学芸員は「身近にある平和や命の大切さを感じてほしい」と願っている。(山下美波)

(2024年4月3日朝刊掲載)

年別アーカイブ