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原子力協力を確認 米印外相 戦略的関係を強化

 インド訪問中のクリントン米国務長官とインドのクリシュナ外相は20日、ニューデリーで会談し、民生用原子力や軍事分野での協力強化で一致。米国企業がインド2カ所で原子炉を建設することや、米国からの今後の武器輸出もにらみ、米国からの軍事技術の第三国への移転を禁じることなどで合意した。

 オバマ米政権発足後、米国務長官のインド訪問は初。オバマ大統領はインドを「21世紀の鍵を握る重要なパートナー」と重視。昨年締結した原子力協力協定を基礎に、両国は今後「戦略的パートナー」として、防衛や経済など幅広い分野での一層の関係強化を図る。

 米国からインドへの武器輸出拡大に道を開く軍事技術の第三国への移転禁止協定を締結したことで、両国の軍事協力は今後飛躍的に進展すると予想される。各国が争奪戦を繰り広げるインドへの戦闘機売り込みに米国は攻勢を強めそうだ。

 長官はインドのシン首相とも会談、同首相が11月に訪米することも決まった。

 与党国民会議派が大勝した今年4~5月の総選挙後に発足した第2次シン政権は、対米協力推進のブレーキともなっていた共産党に閣外協力を仰ぐ必要がなくなり、シン政権が米国との関係強化にまい進する環境が整った。

(共同通信2009年7月21日配信、7月22日朝刊掲載)

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