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「空母化」かが公開 F35B運用見据え改修

 海上自衛隊は8日、呉基地(呉市)を母港とし、事実上の空母化に向けた第1段階の改修工事を終えた護衛艦「かが」を報道陣に公開した。

 工事は3月末に完了した。短い滑走で離陸し、垂直着陸できる航空自衛隊の戦闘機F35Bを運用するための改修で、ジェット噴射の高熱に耐えられるよう甲板の一部を耐熱化。戦闘機が発艦する際に乱れた気流が発生するのを抑えるため、艦首を四角形に広げた。甲板に黄のラインや灯火設備も施し、航空機の管制をしやすいように艦橋の窓を大きくした。

 かがはヘリコプター搭載艦として2017年3月に就役。内部に格納庫を有する。全長248メートルで海自の護衛艦では同型艦「いずも」と並んで最大。いずもも同様の改修を進めており、既にF35Bの発着艦試験を終えた。かがは本年度中に発着艦試験をし、その後、第2段階の改修に入る。

 海自は空自基地が攻撃で損傷した場合のF35Bの発着や、洋上に展開する艦隊を空から防護する際に活用できるとの考えを示す。艦長の国分一郎1等海佐は「ヘリコプター運用や人員輸送、医療など多くの機能を備える護衛艦だ」と話した。

 政府は「必要最小限度の防衛力」のみを認めている憲法を理由に戦後、空母を保有してこなかった。2隻については、保有できないとされる「攻撃型空母」には当たらないとの立場を示している。(小林旦地、開沼位晏)

(2024年4月9日朝刊掲載)

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