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「騒音困っている」9割 岩国基地北東6キロ 阿多田島調査 市民団体

 米軍岩国基地(岩国市)の機能強化に反対する岩国市と廿日市市の市民団体が9日、同基地の北東約6キロの大竹市・阿多田島の住民に米軍機の騒音について尋ねたアンケートの結果を公表した。回答者の9割超が電話が遮られるなど騒音で困っているとし、多くは2018年3月の空母艦載機の移転完了後、ひどくなったと感じていた。

 岩国市の「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」(瀬戸内ネット)と廿日市市の「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会」がこの日、岩国市役所と広島県庁で会見した。

 アンケートは2月に島の84世帯に配り、3月末までに53人分を回収。うち49人(92・5%)が騒音で困っていることがあると答えた。「電話が遮られる」「ラジオや音楽が聞き取りにくい」が各38人、「睡眠が妨げられる」が14人だった。

 空母艦載機移転以降、騒音がひどくなったと感じていたのは、回答者41人のうち36人(87・8%)。「墜落などの不安や恐怖を感じる」と答えた人も24人を数えた。

 瀬戸内ネットの久米慶典事務局長は「島民は騒音と恐怖に悩まされ我慢の限界。積極的に情報発信したい」と話した。今月下旬にはアンケート結果をまとめた報告書を大竹市に提出し、住民の被害実態に向き合うよう求めるという。

 島は岩国基地を離陸する航空機の飛行ルート直下にあり、国が阿多田島漁協に設置する騒音測定器は22年度、70デシベル以上を4087回計測。艦載機移転完了前の17年度の2322回から7割以上増えている。 (長部剛)

(2024年4月10日朝刊掲載)

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