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原爆の基礎発見 ハーン博士関連団体会長 平和公園訪問 慰霊碑に献花

 ドイツの非政府・非営利学術団体マックス・プランク協会のパトリック・クラーマー会長(55)が10日、広島市中区の平和記念公園を初めて訪れた。原爆の基礎となる核分裂を発見した化学者オットー・ハーン博士(1879~1968年)が初代会長を務めており、科学の平和利用の重要性を訴えた。

 クラーマー会長は学芸員の案内で原爆資料館を巡り、協会が提供したハーン博士の写真パネルなど原爆開発のコーナーを熱心に見た。原爆慰霊碑には花を手向け「ここへ来て展示を見る意味を感じた。科学の平和利用へ考えの異なる国々と連携し情報発信するのが大事だ」と話した。

 ハーン博士は核分裂の連鎖反応を発見し、44年にノーベル化学賞を受賞。米軍が広島、長崎に原爆を投下した後は核兵器の放棄と平和活動に尽くした。(野平慧一)

(2024年4月11日朝刊掲載)

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