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被爆2世ゲノム解析 研究や情報管理 説明 中区で放影研 200人参加

 放射線影響研究所(放影研、広島市南区)は13日、準備を進めている被爆2世のゲノム(全遺伝情報)解析に関する説明会を原爆資料館(中区)で開いた。被爆2世たち参加者約200人に研究や個人情報管理の考え方を伝え、理解を求めた。

 研究責任者で分子遺伝学研究室の内村有邦(ありくに)室長が、ゲノムを低コストかつ短時間で解読できる「次世代シーケンサー」を使い、親の受けた放射線量の多い集団と少ない集団で遺伝子変異の状態などを比較すると説明。広島、長崎の被爆者と2世の約500家族を対象にし「将来の健康管理に役立つゲノム情報が見つかった場合は本人に伝える」と話した。

 被爆2世たちとの討論では研究の透明性を求める声が出た。内村室長はゲノム情報が漏えいしないよう何重にも安全対策を施し、賛同した家族だけ公的なデータベースに載せると強調。説明会後の取材に「差別など解析の結果が与える社会的影響を見極めた上で研究したい」と述べた。

 参加した南区の被爆2世、土屋勝豊さん(71)は「厳重な管理の中で実施すると分かり調査自体は歓迎したいが、もっと多くの人に放影研の考え方を周知してほしい」と語った。(山下美波)

(2024年4月14日朝刊掲載)

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