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平和願う絵 基町高生5人 被爆証言聞き 悲惨さを描く

 基町高(広島市中区)創造表現コースの生徒5人が、被爆者2人の体験を基に描いた「原爆の絵」を完成させた。2日、同校に2人を招き披露した。

 証言した被爆者は、児玉光雄さん(79)=南区=と森田節子さん(79)=東区。5人は昨年末から数回面会して体験を聞き取り、心に残った場面を油絵(縦65センチ、横53センチ)に仕上げた。

 3年富田葵天さん(17)=呉市=が描いたのは、県立広島一中(現国泰寺高、中区)で被爆した児玉さんが火の海から逃げる際、がれきの下敷きになった女性に右足をつかまれた場面。

 富田さんは「逃げた自分を責めてきた児玉さんの気持ちを思うと胸が詰まる」。児玉さんは「原爆の悲惨さがしっかり表現されている」と感謝していた。

 この取り組みは、原爆資料館(中区)が2004年度、被爆体験の継承を目指して始めた。5点は資料館に保管し、2人が体験を証言する際に活用する。(長久豪佑)

(2012年7月3日朝刊掲載)

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