在外被爆者支援を、国は具体策示さず 八者協要望
02年7月11日
広島、長崎両県市の首長、議長でつくる広島・長崎原爆被爆者援護対策促進協議会(八者協)は十日、被爆者対策の要望書を厚生労働省に提出した。在外被爆者援護を初めて盛り込み、本年度から両県市が国の補助を受けて始めた在外被爆者支援事業に一層の協力を求めたが、厚労省側は具体的な案を示さなかった。
要望書では初めて「在外被爆者の援護の推進」の項目を設けた。渡日費用の負担を柱とする国の在外被爆者支援事業に対し、「国の責任でさらに効果的な支援策を講じていただきたい」と追加支援を要請。この事業に海外の被爆者団体が反発しているため、円滑な推進に協力するよう求めた。
広島県の三浦公嗣福祉保健部長、広島市の守田貞夫社会局長ら両県市の幹部ら約二十人が厚労省を訪れ、伍藤忠春審議官に要望書を提出。厚労省側は「取り組みに感謝しており、事業の円滑化にさらに努力してほしい」と答えるにとどまり、具体的な協力案や支援策は示さなかった。
要望後、三浦部長は、実務が両県市に委ねられている事業の現状を踏まえ「外国に事務所を持たないわれわれだけでは事業はできず、国の支援が必要。今後、国がどうかかわるのか、はっきりしてほしい」と述べた。 要望書ではさらに、被爆者援護法に基づく保健福祉事業の充実、原爆擁護ホームなど施設整備への助成強化などを要求。文部科学、財務、外務の各省にも提出した。
(2002年7月11日朝刊掲載)
要望書では初めて「在外被爆者の援護の推進」の項目を設けた。渡日費用の負担を柱とする国の在外被爆者支援事業に対し、「国の責任でさらに効果的な支援策を講じていただきたい」と追加支援を要請。この事業に海外の被爆者団体が反発しているため、円滑な推進に協力するよう求めた。
広島県の三浦公嗣福祉保健部長、広島市の守田貞夫社会局長ら両県市の幹部ら約二十人が厚労省を訪れ、伍藤忠春審議官に要望書を提出。厚労省側は「取り組みに感謝しており、事業の円滑化にさらに努力してほしい」と答えるにとどまり、具体的な協力案や支援策は示さなかった。
要望後、三浦部長は、実務が両県市に委ねられている事業の現状を踏まえ「外国に事務所を持たないわれわれだけでは事業はできず、国の支援が必要。今後、国がどうかかわるのか、はっきりしてほしい」と述べた。 要望書ではさらに、被爆者援護法に基づく保健福祉事業の充実、原爆擁護ホームなど施設整備への助成強化などを要求。文部科学、財務、外務の各省にも提出した。
(2002年7月11日朝刊掲載)