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憲法音楽劇 30回目で有終 5月3日の「記念日」に広島市で上演 「主権者意識」テーマ 身近に

 暮らしの中に息づく憲法の意義に楽しく触れようと、毎年5月3日の憲法記念日に市民有志の実行委員会が広島市で上演してきた「憲法ミュージカル」は、通算30回目となる今年でいったん幕を下ろす。「主権者意識」をテーマにした有終の舞台へ、メンバーは稽古に熱を込める。(道面雅量)

 憲法ミュージカルは1994年、広島弁護士会所属の弁護士たちの発案で始まった。学校教育、高齢者の人権、情報公開、男女共生社会など、身近でタイムリーなテーマを選び、オリジナル脚本で上演。年齢も職業もさまざまな市民が、特訓の成果を生バンドの伴奏で披露してきた。

 ただ、初回から脚本を担当してきた広島敦隆弁護士が2022年に77歳で亡くなり、新型コロナウイルス禍で延期や縮小も続いた。昨年、県民文化センター(中区大手町1丁目)での通常公演を復活させたが、30回で区切りをつけることに。実行委員長の石口俊一弁護士(72)は「中心メンバーが年を重ねた。他団体にも呼びかけ、次世代による新しい憲法集会の形を探りたい」と話す。

 有終を飾る舞台は、題して「シン・主権者って言われても―覚醒の時はいつ?」。広島弁護士による16年の脚本を石口弁護士がアレンジし、「新しい戦前」「裏金」といった最新のキーワードを盛り込んだ。

 20回以上出演し、今年も子ども3人と出演する廿日市市の保育士千頭(ちかみ)のぞみさん(39)は「憲法ってこんなに身近なんだ、と実感する舞台。楽しいので続けられた」と万感の思いで臨む。

 県民文化センターで午後2時開演。詩人のアーサー・ビナードさんによる講演に続いて上演する。前売り2500円(当日2800円)、中高生1500円(同1800円)。石口法律事務所☎082(222)0072。

(2024年4月18日朝刊掲載)

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