×

ニュース

被爆体験 紙芝居で学ぶ 福山市立大 進徳女子高生に講義

 広島市南区の進徳女子高の3年生31人が19日、福山市立大(港町)を訪れ、教育学部の大庭三枝准教授(59)の特別講義を受けた。同高の前身校の卒業生でもある福山市の被爆者、彦坂昭子さんの体験談に基づく紙芝居を通じ、亡き先輩の平和への思いを学んだ。

 彦坂さんは進徳高等女学校を卒業後、現在の中区江波沖町の勤め先で被爆。2020年に93歳で亡くなるまで、福山市内で被爆アオギリの植樹などに取り組んだ。大庭准教授は06年、学生たちと彦坂さんから話を聞き取り、被爆アオギリを主役にした幼児向け紙芝居を制作した。

 大庭准教授は紙芝居を紹介しながら、「恐ろしい印象だけではなく、希望も感じてもらえる内容にしよう」と彦坂さんと協議したエピソードを紹介。アオギリの2世が世界に平和のメッセージを伝えるストーリーに、子どもたちに「自分も平和を育てる主体者だ」と感じてもらう狙いを込めたと説明した。

 受講した新宅未悠さん(17)は「平和について学んだことを自分から世界に発信していくことが重要。先輩からの思いを受け継いでいく」と話していた。(東山慧介)

(2024年4月20日朝刊掲載)

年別アーカイブ