×

ニュース

宿泊税導入「課題ある」 広島市長 滞在型推進の最中

 広島県が導入を検討している「宿泊税」を巡り、広島市の松井一実市長は24日の記者会見で「慎重に見極める課題がある」との認識を示した。市が夜間を含む滞在型観光を推進している最中と強調。現時点で県とのスタンスの違いをにじませた。(下高充生)

 県が検討を再開後、松井市長が宿泊税に表立って言及したのは初。「(観光客に)滞在を促す対策を考えている時に、負担増を強いるのが時宜を得ているか考えないといけない」と指摘した。

 湯崎英彦知事は16日の記者会見で宿泊税に関し「できるだけ速やかに導入を目指す」と表明。県内で宿泊客が最多の広島市ではインバウンド(訪日客)が急増しており、観光客の満足度を高めるための環境整備に税収を充てたい考えを示した。

 一方、松井市長は現状、市税や国の補助金で観光振興の財源を確保していると説明。「全然足りないという結論には至っていない。そういった中で、振興の費用を市民、県民じゃなく、取りやすいから取るというのであれば、税はそういうものなのかという議論も出てくる」と述べた。

 会見では、南極地域の平和的利用などを話し合う南極条約協議国会議が2026年に広島市で開かれ、各国の政府高官たち約400人が訪れる見通しにも触れた。「国際平和文化都市を掲げる市が条約の精神にふさわしいと認められた。ヒロシマの心を広く伝える機会」と歓迎した。

 また、8月6日の平和記念式典にイスラエルの政府代表を招き、ロシアとベラルーシを招待しない理由について「式典の円滑な挙行に影響を及ぼす可能性がある」と、従来の見解を維持した。

(2024年4月25日朝刊掲載)

年別アーカイブ