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故永井博士の家族愛描く 大学生ら20人 稽古に汗 27・28日 雲南で創作市民劇

 長崎で被爆し、放射線医療などに尽力した故永井隆博士の一生を描いた創作市民演劇「永井隆物語」が27、28日、雲南市木次町のチェリヴァホールである。新型コロナウイルスの影響で無観客上演となった2021年4月の公演以来、初めての観客を招いた舞台となる。(上田光)

 放射線の研究による影響で白血病を患った永井博士。2人の幼子を残して先立たなければならない後悔や、家族の幸せを願う思いが、博士の著書をもとに描かれている。脚本と演出を担当した松江市の高校教諭亀尾佳宏さん(50)は「平和の根幹となる家族愛を永井の生涯を通して感じてほしい」と話す。

 13日に同ホールであった練習では、20代から60代までの約20人が、舞台上での動きやせりふの表現を確認した。博士役を演じる島根大3年四宮裕樹さん(20)は、修学旅行で長崎を訪れた記憶や、博士の著書を頼りに役作りをした。四宮さんは「あまり知られていない永井の人間くさい一面を表現したい」と意気込む。

 幼少期を雲南市三刀屋町で過ごした博士のことを広く知ってもらおうと「市演劇によるまちづくりプロジェクト実行委員会」が21年に劇を制作。無観客上演の舞台を撮影した映像をインターネットで配信している。

 両日とも前売り一般2500円(当日3千円)、高校生以下1500円(同2千円)。同ホール☎0854(42)1155。

(2024年4月25日朝刊掲載)

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