被爆者・若者 ネットで対話 広島市立大卒の佐藤さん企画 進学先の関東で継続
24年4月28日
広島市立大を今春卒業して一橋大大学院に進学した佐藤優さん(22)=東京都八王子市=が27日、神奈川県鎌倉市の被爆者宅を訪れ、インターネットで各地の若者と対話する集いを開いた。「核兵器のない世界」を目指して昨年に始め、東京でも続ける。「戦後に広島を出た被爆者の歩みを聞き取りたい」と意気込む。
14歳の時に広島で被爆した橋爪文さん(93)のベッドに2人で座ってネット中継した。橋爪さんはおなかから腸が飛び出した幼子を念仏を唱えてまたいだと打ち明け、「異次元の出来事だった。今は核兵器の使用が安易に考えられている」と話した。韓国の1人を含む参加者21人は、思い描く未来を語り合った。
仙台市出身の佐藤さんは、幼少期に曽祖母から聞いた仙台空襲の体験におびえ「繰り返してはいけない」と決意。被爆地の広島で平和学を学ぼうと市立大に進学した。初めて被爆者と会った際には「原爆は遠い昔の歴史ではなく、被害は今も続いている」と実感した。
同世代の関心を高めようと昨年11月、被爆者と話し合う若者向けの集いを始めた。外出が難しい被爆者もおり、自ら家を訪れる。月1回で、集いをきっかけに広島を訪れた参加者もいるという。
進学先では、広島の被爆者と東京電力福島第1原発事故の避難者から話を聞き、救済の在り方を研究する。「次なる核の被害者を生まないために、経験者の警告を受け取って共有したい」と話している。(宮野史康)
(2024年4月28日朝刊掲載)
14歳の時に広島で被爆した橋爪文さん(93)のベッドに2人で座ってネット中継した。橋爪さんはおなかから腸が飛び出した幼子を念仏を唱えてまたいだと打ち明け、「異次元の出来事だった。今は核兵器の使用が安易に考えられている」と話した。韓国の1人を含む参加者21人は、思い描く未来を語り合った。
仙台市出身の佐藤さんは、幼少期に曽祖母から聞いた仙台空襲の体験におびえ「繰り返してはいけない」と決意。被爆地の広島で平和学を学ぼうと市立大に進学した。初めて被爆者と会った際には「原爆は遠い昔の歴史ではなく、被害は今も続いている」と実感した。
同世代の関心を高めようと昨年11月、被爆者と話し合う若者向けの集いを始めた。外出が難しい被爆者もおり、自ら家を訪れる。月1回で、集いをきっかけに広島を訪れた参加者もいるという。
進学先では、広島の被爆者と東京電力福島第1原発事故の避難者から話を聞き、救済の在り方を研究する。「次なる核の被害者を生まないために、経験者の警告を受け取って共有したい」と話している。(宮野史康)
(2024年4月28日朝刊掲載)