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戦闘機「飛燕」 復元模型展示 金光に施設 実機も「旧陸軍の技術見て」

 旧日本陸軍の戦闘機「飛燕(ひえん)」の実機と復元模型を展示する施設が、浅口市金光町にオープンした。6日まで毎日公開している。運営者は「当時の高い技術を見てもらい、平和について学ぶ機会にしてほしい」と話す。(谷本和久)

 施設はドレミコレクションミュージアム。JR金光駅の南約1・7キロに鉄筋2階建て延べ約380平方メートルの格納庫を備える。倉敷市のバイク部品製造販売「ドレミコレクション」の武浩社長(59)が運営する。

 飛燕は川崎航空機工業(現川崎重工業)が開発し、1941~45年に約3千機が製造されたとされる。復元模型は実物大の全幅12メートル、全長8・75メートル、全高3・7メートル。アルミ製で重量は1・5トン。復元には3年かかった。エンジンは搭載していないがプロペラはモーターで動き、操縦席で搭乗体験ができる。

 実機は、不時着状態で1970年代に南太平洋パプアニューギニアで見つかった。2017年に1500万円で武社長がネットオークションで落札した。復元に協力した同郷の事業者(茨城県小美玉市)の社長によると、板金接合部は崩れておらず、技術の高さがうかがえたという。

 4月26日にあったオープンイベントで、武社長は「高い技術を含む産業遺産として多くの方に見てほしい。壊れた実機と複製模型を見比べ、戦争の悲惨さや平和の尊さを感じてもらえれば」と話した。

 展示の実機に搭乗していた美咲町出身の垂井光義大尉のおい長治さん(77)も、イベントに出席。「実物同様に復元され、おじも喜んでいるのでは」と思いをはせた。

 6日以降は土日限定で公開する。入場料などは1100~1万4300円(特典付き)。専用サイトで予約する。☎086(456)4004。

(2024年5月2日朝刊掲載)

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