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硫黄島で離着陸訓練 米軍岩国基地の空母艦載機 4日から

 中国四国防衛局は2日、米軍岩国基地(岩国市)の空母艦載機が4~15日、硫黄島(東京都)で陸上空母離着陸訓練(FCLP)をすると岩国市と山口県に伝えた。天候不良などで硫黄島で訓練できない場合の予備施設に岩国など国内4基地が指定された。

 FCLPは滑走路を空母の甲板に見立てて離着陸を繰り返し、激しい騒音を伴う。FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機など5機種が参加する。予備施設は岩国と三沢(青森)横田(東京都)厚木(神奈川県)の各基地が指定され、期間はいずれも8~14日。

 FCLPに続いて空母で着艦資格取得訓練(CQ)が行われる。CQの期間や場所について、防衛局は「米側から情報を入手できていない」と岩国市に説明した。昨年は4年ぶりに九州沖で実施され、市は「夜間などに岩国基地に帰還し、市民生活への影響が少なからずあった」としている。

 岩国市など2市2町と山口県でつくる連絡協議会は2日、岩国を予備施設とせず、CQは硫黄島付近で実施するよう米側に要請してほしいと防衛局に電話で伝えた。3日、担当者が岩国基地や防衛局などを訪れ、FCLPについて文書で申し入れる。

 広島県や広島市、廿日市市も2日、FCLPを岩国基地で実施しないよう求める要請書を防衛省や在日米大使館などに郵送した。

 防衛省はFCLPの硫黄島からの移転を見据え、鹿児島県西之表市の馬毛島で自衛隊基地の建設を進めている。(川村奈菜、和多正憲)

(2024年5月3日朝刊掲載)

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