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平和文化振興 強調へ 広島市会合 宣言づくり着手

 広島市の松井一実市長が今年の平和記念式典で読む平和宣言の文案を検討する懇談会の初会合が7日、市役所であった。座長の松井市長はロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の悪化を踏まえ、平和文化の振興の強調など内容を工夫する考えを示した。

 被爆者や平和分野の研究者たち全8人が出席した。松井市長は冒頭のあいさつで、核兵器に頼る各国に危機感を示し、平和宣言について「構成は今まで通りで良いか迷っている」と説明。市民社会で暴力を正当化する傾向が強まっているとも指摘し、これらを踏まえた文案作りを求めた。

 意見交換は非公開。報道各社の取材に応じた松井市長によると、現在の国際情勢への問いかけをし、被爆者の言葉を用いる構成を提案した。委員からは、制定から75年を迎える広島平和記念都市建設法への言及を求める意見などが出たという。

 懇談会は計3回を予定。6月上旬に平和宣言の骨子、7月上旬に文案を示す。(山下美波)

(2024年5月8日朝刊掲載)

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