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入場規制 公園全体に 平和記念式典 広島市「安全対策」で

 広島市は7日、今年の8月6日に平和記念公園(中区)で開く平和記念式典で、入場規制エリアを原爆ドーム周辺を含む公園全体に広げると発表した。入場口を6カ所設け、手荷物検査をする。従来は原爆慰霊碑周辺が規制対象だったが、昨年の式典当日にドーム周辺でデモ参加者の一部が市職員に集団で体当たりしたとされる事件が起きたのを受け「安全対策の強化」を打ち出した。

 市によると、8月6日午前5時時点で公園利用者に園外への移動を要請し、同9時まで入場を規制する。入場口は6時半に開設。手荷物検査をし、拡声器やプラカードを持ち込めなくする。検査を拒否したり、移動要請に従わなかったりした場合、会場外への退去を命令することがある。

 国内外の要人たちの警備体制も強め、慰霊碑前の参列者席に入る人たちに金属探知検査を実施する。一方、元安橋方面から慰霊碑を訪れる専用ルートを午前5~7時に設け、手荷物検査はしない。

 式典は午前8時から同50分までの予定。参列者席は昨年と同規模の約7千席を用意する。別に、広島国際会議場内の冷房の効いたホールに約2200席を確保し、式典の映像を同時中継する。

 昨年の事件は8月6日の式典前に発生。デモに参加した中核派活動家の5人が原爆ドーム北側で、参列者たちの通路確保のために立っていた市職員に、隊列を組んで体当たりするなどした疑いで逮捕、起訴された。

 市民活動推進課は「再発防止に向けて実効性のある対応をするため禁止行為を明示した。公園内の通行が規制され、市民に不便をかける面もあるが円滑な式典運営に協力してほしい」としている。(野平慧一)

(2024年5月8日朝刊掲載)

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