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非核化なら関係正常化 米国務長官、北朝鮮に訴え

 東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議のためタイ南部プーケットを訪問中のクリントン米国務長官は22日、「完全かつ不可逆的な非核化だけが北朝鮮の取り得る道だ」と訴え、北朝鮮に核放棄を強く要求した。北朝鮮が応じれば、米国などが「関係正常化も含めた報奨や機会を提示して前進する」と述べた。

 米国はブッシュ前政権時代、核問題をめぐる6カ国協議の過程で米国や日本との関係正常化を提案したが、オバマ政権高官が正常化について踏み込んだ発言をしたのは初めて。北朝鮮が核放棄を確約した2005年9月の同協議共同声明を念頭に核廃棄実現を図るよう求めたとみられる。

 クリントン長官は6カ国協議参加国のロシア中国の外相と相次いで個別に会談後、記者会見した。

 長官は、北朝鮮とミャンマーの核技術を含む軍事協力にもあらためて懸念を表明した。

 長官は23日にARF閣僚会議に出席し、ARF参加国に対し、北朝鮮に6カ国協議復帰を促すための支援を呼び掛ける。


ASEAN 北朝鮮制裁「痛み与えて」 中曽根外相 米中に要請

 東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議出席のためタイのプーケットを訪問中の中曽根弘文外相は22日、米国のクリントン国務長官、中国の楊潔濤外相とそれぞれ会談し、北朝鮮の再核実験を受けて採択された国連安全保障理事会制裁決議の着実な実施や非核化をめぐり協議した。中曽根氏は「北朝鮮が痛みを感じる効果的な制裁」(外務省幹部)とするため両外相に積極的な取り組みを求めた。

 クリントン氏との会談では、安保理決議の着実な実施と拉致、核、ミサイルを含めた包括的な解決が必要との認識で一致。北朝鮮との政治的、経済的結び付きの強い中国の役割の重要性を確認した。その上で6カ国協議を「最も適切な枠組み」と強調し、北朝鮮を除く5カ国の連携強化を申し合わせた。

 中曽根氏は楊氏との会談で、核問題などの解決に向け中国の一層の役割に期待感を表明。楊氏は再核実験で6カ国協議が「重大な挑戦に直面している」と指摘。「安保理決議を真剣に履行する」と表明した上で「対話による解決が図られるよう関係国の努力が必要だ」と強調した。

(共同通信配信、2009年7月23日朝刊掲載)

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