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アルゲリッチさん 被爆ピアノを演奏 「少女の悲劇を思う」 広島

 世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチさん(82)が11日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、レストハウスに常設展示されている被爆ピアノ「明子さんのピアノ」を奏でた。

 アルゲリッチさんは広島交響楽団が12日に開く公演(チケット完売)に出演するため、広島市に滞在中。この日はリハーサルを終えた後、レストハウスに立ち寄った。

 古い鍵盤を慈しむかのようにシューマン「子どもの情景」とラベル「水の戯れ」を演奏。「少女の悲劇を思う。とても素晴らしい音色のピアノだ」と語った。

 ピアノは米国製で、19歳のとき被爆死した女学生河本明子さんの遺品。アルゲリッチさんは2015年、広響と初協演した際このピアノを試奏し、音色に魅了され「再会」を希望してきた。新型コロナウイルス禍を経てようやく実現した。(桑島美帆)

(2024年5月12日朝刊掲載)

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