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「鍵盤の女王」 2000人感動 広島 アルゲリッチ、広響と協演

 世界的なピアニスト、マルタ・アルゲリッチをソリストに迎え、広島交響楽団の特別定期演奏会が12日、広島市中区の広島文化学園HBGホールで開かれた。被爆地広島に寄せる「鍵盤の女王」の情熱あふれる演奏に、約2千人で満員のホールは感動に包まれた。

 広響のクリスティアン・アルミンク音楽監督がタクトを担った。前半は戦禍のウクライナにささげる2曲。同国の作曲家ゴノボリンの「弦楽のためのアダージョ」(日本初演)に続き、マーラーの交響曲第10番「アダージョ」に祈りを込めた。

 後半、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番にアルゲリッチが登場。華麗なピアノ独奏をオーケストラが盛り上げ、熱気渦巻くフィナーレへと駆け抜けた。総立ちの聴衆に応え、2回のアンコールでピアノ曲を弾いた後、再び楽団と「第3番」の終楽章を披露。盛大な拍手を浴びた。

 アルゲリッチは2015年の初協演を機に「広響平和音楽大使」に就いている。(桑島美帆)

(2024年5月14日朝刊掲載)

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