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「風通し」世界へ初配信 広島原爆死没者名簿

 広島市は15日、中区の平和記念公園で、原爆慰霊碑に納めている原爆死没者名簿126冊を外気に当てて湿気を取る「風通し」の作業をした。様子を市の公式ユーチューブチャンネルで初めて生配信し、編集した動画も後日公開する。

 原爆投下時刻の午前8時15分に市職員14人が黙とうしてから開始。青空の下、石室から取り出した名簿を碑前に敷いた白い布に並べた。とじられた和紙を1枚ずつ丁寧にめくって状態を確認。順次、石室に戻した。

 修学旅行で訪れ、作業を見守った石川県加賀市の東和中3年板東功真さん(14)は「たくさんの名簿を見て、それだけ多くの人が犠牲になったと感じた。二度と同じようなことが起きないようにしたい」と誓った。

 市は名簿のうち124冊には、昨年8月5日までに死亡が確認された広島の被爆者33万9227人の名前や死没年月日、死亡時の年齢を載せている。別の1冊には遺族が希望した長崎の被爆者13人の名前などを、もう1冊には「氏名不詳者多数」と記す。昨年8月6日以降に死亡が確認された被爆者の名前は来月上旬から記帳し、8月6日の平和記念式典で納める。(山下美波)

(2024年5月16日朝刊掲載)

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