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「安全を最優先」広島市長説明 平和式典の入場規制拡大

 広島市の松井一実市長は16日の記者会見で、今年8月6日に平和記念公園(中区)で開く平和記念式典の入場規制エリアを原爆ドーム周辺を含む公園全体に広げる意図を説明した。「参列する市民たちの安全を最優先に考え、市議会の議論を通じて市民のさまざまな意見を踏まえた措置」とし、理解を求めた。

 松井市長は、昨年の式典前にドーム周辺でデモ参加者の一部が市職員に集団で体当たりしたとされる事件に触れ、規制エリア拡大を再発防止策と強調。「市民の理解と協力を得られるよう周知を進める」と述べた。市は規制時間の午前5~9時に公園内である慰霊行事の主催者へ音を出さないなどの対応も要請する。

 また松井市長は会見で、先進7カ国首脳会議(G7サミット)の開催から19日で1年を迎える所感を表明。ロシアによるウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザでの戦闘を挙げ「主張や立場が異なる為政者間でさまざまな障壁があり、十分に意思疎通を図れない事実がある。非常に残念だ。対話による一刻も早い終息を願う」と話した。

 広島、長崎への原爆投下を正当化する米上院議員らの発言については、核兵器廃絶に「逆行する」と非難した。(野平慧一)

(2024年5月17日朝刊掲載)

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