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新藤兼人監督作「第五福竜丸」 ブルーレイ化 被曝70年 「考えるきっかけに」

 広島市佐伯区出身の故新藤兼人監督の映画「第五福竜丸」を、東京都江東区の第五福竜丸展示館を運営する団体がブルーレイで復刻した。米国による中部太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁での水爆実験で福竜丸が被曝(ひばく)して70年。広島、長崎にとどまらない核被害の実態を改めて浮かび上がらせている。

 映画は水爆実験5年後の1959年公開で、新藤監督は乗組員に取材した。福竜丸の出航シーンや、実験後に降り注いだ放射性物質を含む「死の灰」、無線長として乗船していた久保山愛吉さんの死をドキュメンタリー風に伝えている。

 第五福竜丸平和協会が復刻し、今月発売した。撮影秘話を明かす新藤監督のインタビューや展示館の学芸員たちによる解説文を載せた冊子を添えている。協会の安田和也専務理事(71)は「映画で被曝の経緯を学び、核兵器や戦争を考えるきっかけにしてほしい」と話す。107分。3千円。協会☎03(3521)8494。(宮野史康)

(2024年5月20日朝刊掲載)

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