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ルワンダの児童作 折り鶴ささげる 現地でボランティア 広島出身の大学生原田菜摘さん

「惨禍 繰り返さない」 重なる思い

 アフリカ中部ルワンダの小学校で教育ボランティアをした広島市安佐北区出身の大阪教育大4年原田菜摘さん(23)が、現地の小学生が作った折り鶴を平和記念公園(中区)の原爆の子の像にささげた。「まいた平和の種が広がってうれしい」と手応えを語る。

 昨年10月から半年間、同国の首都キガリの小学校で英語や図工を教え、平和教育にも取り組んだ。ヒロシマの惨禍を伝えようと、被爆10年後に白血病で亡くなった佐々木禎子さんが主人公の絵本も紹介。禎子さんがモデルになった原爆の子の像の写真を見せると、児童は「自分たちの作った折り鶴も置いて」と声を上げた。

 原田さんは託された約200羽を携え帰国。友人たちと台紙に貼り「へいわ」「RWANDA」の文字をあしらった。4月下旬に原爆の子の像を訪れ、折り鶴をささげる様子をオンラインで現地に中継すると、画面越しに約140人の子どもたちの歓声が響いた。

 原田さんは、1994年のルワンダ大虐殺からの復興に関心を持ち、インターネットで受け入れ先を探して現地に赴いた。「現地のNGOスタッフの『ジェノサイド(民族大量虐殺)は全てのルワンダ人の人生を殺した』との言葉が強烈だった」と振り返り、「街は復興したようでも、心は復興できていないと痛感した」と語る。

 一方で、平和教育を通じて「自国の歴史を発信したい」と話す児童がいたことに希望も見いだす。「両国の過去を語り継ぐことは、悲惨な歴史を繰り返さないためのストッパーになる」と力を込める。(頼金育美)

(2024年5月20日朝刊掲載)

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