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「核兵器保有国 廃絶の義務」 ASEAN事務総長 原爆資料館見学

 東南アジア諸国連合(ASEAN)のカオ・キムホン事務総長(57)が20日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、原爆資料館を見学した。ASEAN加盟国は核兵器の保有や開発を禁じる東南アジア非核兵器地帯条約を締結しており、「核兵器保有国は廃絶させる義務がある」と訴えた。

 資料館では広島平和文化センターの香川剛広理事長の案内で、被爆死した子どもの遺品の三輪車や焼け焦げた弁当箱などに見入った。見学後、芳名録に「広島は世界に、核兵器と大量破壊兵器の廃絶を永遠に思い起こさせる」などと記帳。原爆慰霊碑に献花した。

 カンボジア出身のカオ事務総長は1970年代の旧ポル・ポト政権による大虐殺を経験したという。「戦争や紛争の犠牲になるのは一般市民。核保有国の指導者は広島を訪れ、核がどのような結末をもたらすのか見るべきだ」と力を込めた。(山下美波)

(2024年5月21日朝刊掲載)

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