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三次の「温かい心」 ウクライナ家族へ 国際交流協と市 65万円贈る

 三次国際交流協会と三次市は20日、ロシア軍の侵攻が続くウクライナから同市へ避難し、今月末に帰国予定のディミトル・ブワイロさん(40)家族に寄付金を贈った。渡航費や帰国後の生活費に活用してもらう。家族は三次で暮らした2年余りを振り返り「皆さんの温かい心がうれしい」と感謝した。(林淳一郎)

 妻のイリーナさん(38)と14~2歳の子ども3人も市役所を来訪。同協会の細川喜一郎理事長(64)が「無事の帰国と幸せを祈ります」と、市民たちが寄せた計60万1千円を贈った。市職員も計5万3千円を出し合い、福岡誠志市長が手渡した。

 家族は2022年4月初め、激戦地のウクライナ東部ドネツク州を離れた。隣国ポーランドを経て、侵攻開始から約2カ月後、イリーナさんのいとこで三次在住のオクサナ・ヤシチェンコさん(49)を頼って避難した。

 同協会は侵攻直後からウクライナ避難者の支援を開始。市民が寄せた現金やチャイルドシートなどを家族に贈ってきた。

 帰国は子どもの進学などのためで、比較的安全な場所で暮らすという。28日に三次をたつ。「平穏の中で子どもたちの笑顔を見ながら過ごし、幸せだった」とディミトルさん。イリーナさんは戦争の終結を願い「心配はたくさんあるけど、新しい翼を広げて頑張る。平和になったらもう一度三次に来たい」と話した。

(2024年5月21日朝刊掲載)

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