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日本の核政策を問う 第4回国際賢人会議 横浜で開幕

 核兵器廃絶への道筋を国内外の有識者が探る国際賢人会議の第4回会合が21日、横浜市で始まった。22日までの日程で、初日は核廃絶に取り組む市民団体との意見交換を展開。委員からは「核兵器のない世界」を掲げながら核抑止に頼る日本政府の現状を踏まえ、「理想と現実のバランスをどう取るのか」と悩む声が出たという。

 米中ロ英仏の核保有五大国や日本、ドイツなど非保有国の全委員15人のうち14人がオンラインも含めて参加し、大半は非公開で討議した。

 出席後、取材に応じた市民団体メンバーによると、核政策を巡る日本の現状をどう変えるのかについて、委員が団体側にアイデアを求めたという。NPO法人ピースデポの渡辺洋介研究員(53)は「委員は理想と現実のギャップに悩んでいた」と印象を語った。

 会議は岸田文雄首相が創設し、被爆地広島、長崎でも会合を重ねてきた。今回は人工知能(AI)などの新興技術が核軍縮に及ぼす影響も議論。ビデオメッセージを寄せた上川陽子外相は2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議を見据え、「最終成果物の作成に向けた議論を深めてほしい」と期待した。22日は討議後に官邸を訪れ、岸田首相に内容を報告する。(樋口浩二)

(2024年5月22日朝刊掲載)

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