米軍機騒音 最多9956回 23年度広島県集計 艦載機移転完了後 空軍機飛来など影響
24年5月24日
米軍岩国基地(岩国市)周辺の広島県内6地点で2023年度に測定された航空機騒音の発生回数が計9956回に上り、空母艦載機の移転完了後の18年度以降で最多となった。いずれも米軍機によるものとみられる。市民団体は空軍機の飛来や艦載機による訓練が相次いだ影響とみている。(和多正憲)
中国四国防衛局(広島市中区)が設けた県内の騒音測定器のうち移転完了前からデータのある3市1町の6地点の記録を県が集計した。人がうるさいと感じる70デシベル以上の騒音は22年度比で1・2倍に増え、これまで最多だった21年度の9664回も上回った。
地点別でみると、米軍機の飛行ルート直下の大竹市阿多田島が4740回で最も多かった。同市西栄1653回▽廿日市市八坂1202回▽北広島町西八幡原1037回▽廿日市市宮島890回▽江田島市沖美434回―の順だった。
移転完了前の17年度比では大竹市西栄が15・6倍と大幅に増えた。残る5地点も江田島市沖美4・9倍、廿日市市宮島4・1倍、同市八坂2・7倍、大竹市阿多田島2・0倍、北広島町西八幡原1・5倍だった。
また、県に連絡のあった23年度の低空飛行の目撃件数は2810件に上り、記録のある1997年度以降で最多だった。市町別では廿日市市が1330件で最も多く、大竹市1181件、北広島町236件、広島市35件、江田島市10件などだった。
岩国基地は18年3月、厚木基地(神奈川県)から艦載機約60機の受け入れを完了した。23年7月には他基地所属の21機の空軍機が飛来して離着陸を繰り返したほか、8、9月は艦載機が空母から一時帰還して訓練をした。「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会」(廿日市市)の西浦紘子事務局長は「訓練が集中した昨夏に騒音の苦情を訴える市民が多かった」としている。
県国際課は「騒音が大幅に増え、住民生活に多大な影響を及ぼしている」と説明。国に騒音被害の実態把握や低空飛行訓練の中止、被害解消に向けた財政措置も要請する。
(2024年5月24日朝刊掲載)
中国四国防衛局(広島市中区)が設けた県内の騒音測定器のうち移転完了前からデータのある3市1町の6地点の記録を県が集計した。人がうるさいと感じる70デシベル以上の騒音は22年度比で1・2倍に増え、これまで最多だった21年度の9664回も上回った。
地点別でみると、米軍機の飛行ルート直下の大竹市阿多田島が4740回で最も多かった。同市西栄1653回▽廿日市市八坂1202回▽北広島町西八幡原1037回▽廿日市市宮島890回▽江田島市沖美434回―の順だった。
移転完了前の17年度比では大竹市西栄が15・6倍と大幅に増えた。残る5地点も江田島市沖美4・9倍、廿日市市宮島4・1倍、同市八坂2・7倍、大竹市阿多田島2・0倍、北広島町西八幡原1・5倍だった。
また、県に連絡のあった23年度の低空飛行の目撃件数は2810件に上り、記録のある1997年度以降で最多だった。市町別では廿日市市が1330件で最も多く、大竹市1181件、北広島町236件、広島市35件、江田島市10件などだった。
岩国基地は18年3月、厚木基地(神奈川県)から艦載機約60機の受け入れを完了した。23年7月には他基地所属の21機の空軍機が飛来して離着陸を繰り返したほか、8、9月は艦載機が空母から一時帰還して訓練をした。「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会」(廿日市市)の西浦紘子事務局長は「訓練が集中した昨夏に騒音の苦情を訴える市民が多かった」としている。
県国際課は「騒音が大幅に増え、住民生活に多大な影響を及ぼしている」と説明。国に騒音被害の実態把握や低空飛行訓練の中止、被害解消に向けた財政措置も要請する。
(2024年5月24日朝刊掲載)