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原爆被害者救済を当事者が体験語る 中区のシンポに100人

 広島、長崎の原爆被害者の救済について考えるリレーシンポジウムが26日、広島市中区の広島弁護士会館であった。オンラインを含めて約100人が参加。原爆に遭いながら「被爆者」と認められていない人や識者たちが援護を求めた。

 広島原爆の「黒い雨」を巡る集団訴訟の原告、河野博さん(87)=東区=はあの日、佐伯郡吉和村(現廿日市市)で雨を浴びた後、脳梗塞やがんを患いながらも被爆者健康手帳の申請が却下された体験を証言。「この体で(雨に)おうた。苦労してきた」と訴えた。

 国の援護区域外で長崎原爆に遭い、被爆者と認定されていない「被爆体験者」訴訟の原告団長も「灰が降ってきた」などと実態を語った。広島、長崎で訴訟に関わっている弁護士や学者も登壇し、被爆者を巡る国の実態調査や基準が不十分と批判した。

 シンポは、救済への運動を支援してきた医師や弁護士、識者たちでつくる世話人会が主催した。 (小林可奈)

(2024年5月27日朝刊掲載)

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