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沖縄戦体験者の傷描く 広島市佐伯区で9日上演

 太平洋戦争末期の沖縄戦を体験した住民の証言を基にした演劇「沖縄戦と平和劇」が9日午後3時、広島市佐伯区の区民文化センターである。沖縄県在住の俳優が地元の中学校などで上演してきた作品。沖縄県外を巡り、広島でも公演する。入場無料。

 1945年6月、米軍が上陸した沖縄本島でガマ(自然壕(ごう))へ逃れた親子が主人公。銃声が響き、死が迫る場面で米軍への投降を試みたところ日本兵に止められる。投降か国のため死を選ぶかを迫られた住民を描く。

 那覇市の会社員永田健作さん(42)が体験者の大城勇一さん(89)=宜野湾市=に取材し、脚本を仕上げた。体験者の高齢化が進み、若者が戦争の恐ろしさを感じる機会が減っていると危ぶんだ。知り合いの劇団員に声をかけ、2021年から中学校やガマでの平和学習で19回上演した。

 今年5月から初の県外公演を始めた。千葉を手始めに、被爆地の長崎、広島を回る。永田さんは「もし自分だったらと想像しながら、沖縄が抱える傷に少しでも触れてほしい」と、来場を呼びかける。専用フォームから事前予約が必要。永田さん☎080(6486)3529。(重田晴香)

(2024年6月3日朝刊掲載)

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