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基町の今昔 写真で行き来 中区と市立大のプロジェクト10年目 過去最多110点 5ヵ所で展示

 公営アパートが立ち並び、新たにサッカースタジアムができた広島市中区基町地区で、戦後の街の変遷を伝える写真展が1日始まる。区と市立大(安佐南区)の「基町プロジェクト」が企画して10年目となる今年は、過去最多の約110点を5カ所に分けて展示。来訪者に地域を巡ってもらう。30日まで。無料。

 原爆で家を失った市民が木造住宅に身を寄せ、高層アパートが建設された頃の写真が中心。写真展の案内所となる市営基町アパート17号棟1階の「旧大橋商店」には、1970~80年代の子どもたちの祭りや基町小の運動会の様子を捉えたカットが並ぶ。

 基町ショッピングセンターには、高層アパートの屋上から眺めた4枚を展示。木造住宅の密集地が芝生の広がる中央公園となり、今年2月に「エディオンピースウイング広島」が開業するまでの大きな変化をたどることができる。開場は木-日曜の正午~午後5時。

 基町プロジェクトでは地区で撮られた写真を集め、これまで5千枚以上をデジタル化してきた。写真展は2015年から毎年開き、会場の設営には学生が携わっている。

 プロジェクトのスタッフで市立大非常勤特任教員の増田純さん(34)は「基町を歩きながら現在と過去を行き来する旅のような展示にした」と話し、来場を待ちわびている。(川上裕)

(2024年6月1日朝刊掲載)

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