被爆者運動 草創期に光 広島県被団協総会 資料発掘・保存へ
24年6月4日
広島県被団協(箕牧(みまき)智之理事長)は3日、広島市中区で総会を開き、本年度の事業計画や新役員を決めた。来年の被爆80年、再来年の県被団協結成70年の記念事業として、被爆者運動の草創期の資料を発掘し、保存を進めていくことを確認した。
県被団協によると、各団体に発足時の案内や会議の資料の行方を調べてもらう。集まった資料は原爆資料館(中区)の協力を得ながら整理する。調査はこれまでにも依頼していたが、新型コロナウイルス禍で作業が滞っていたため再度呼びかける。事業計画には、被爆2世会員たちが高齢になった親の被爆体験を継承し、講話する場を設ける取り組みも盛り込んだ。
総会には県内の被爆者団体の代表者たち50人が出席した。箕牧理事長はあいさつで「戦争反対、核兵器廃絶を叫びながら世界では紛争が絶えない」と強調。事務局は運動を2世たちに託す必要性を説明したほか、昨年5月に市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)の核軍縮文書「広島ビジョン」について、核抑止論を肯定しており「到底受け入れられない」とする考え方も確認した。
また、任期満了となった前田耕一郎事務局長(75)=安佐北区=の後任に、3日付で事務局次長の熊田哲治氏(67)=西区=を充てる人事を決めた。熊田氏は元県職員の被爆2世で、昨年から事務局次長を務めていた。(山下美波)
(2024年6月4日朝刊掲載)
県被団協によると、各団体に発足時の案内や会議の資料の行方を調べてもらう。集まった資料は原爆資料館(中区)の協力を得ながら整理する。調査はこれまでにも依頼していたが、新型コロナウイルス禍で作業が滞っていたため再度呼びかける。事業計画には、被爆2世会員たちが高齢になった親の被爆体験を継承し、講話する場を設ける取り組みも盛り込んだ。
総会には県内の被爆者団体の代表者たち50人が出席した。箕牧理事長はあいさつで「戦争反対、核兵器廃絶を叫びながら世界では紛争が絶えない」と強調。事務局は運動を2世たちに託す必要性を説明したほか、昨年5月に市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)の核軍縮文書「広島ビジョン」について、核抑止論を肯定しており「到底受け入れられない」とする考え方も確認した。
また、任期満了となった前田耕一郎事務局長(75)=安佐北区=の後任に、3日付で事務局次長の熊田哲治氏(67)=西区=を充てる人事を決めた。熊田氏は元県職員の被爆2世で、昨年から事務局次長を務めていた。(山下美波)
(2024年6月4日朝刊掲載)