黒い雨訴訟 演劇で問う 広島出身青木さん代表の劇団 東京で今月上演 被爆者や研究者の志描く
24年6月9日
東京都を拠点に活動し、広島市安芸区出身の青木文太朗さん(29)が代表を務める劇団ハトノスが13~16日、広島への原爆投下後に降った「黒い雨」を題材にした演劇「Pica(ピカ)」を都内で上演する。被爆者と認められてこなかった「理不尽な体験」を裁判で世に問うた当事者たちの志を伝える。(宮野史康)
黒い雨被害者の救済拡大に道を開いた2021年の広島高裁判決の原告たちの葛藤を約1時間40分で浮かび上がらせる。事実を掘り起こした100歳の気象学者・増田善信さんや丹念な報道に努めた新聞記者たちの姿も描く。青木さんは広島にも出向き、平和記念式典に参列するなどして脚本をまとめた。
演劇との出合いは広島学院高時代。仲間と一緒に作品を仕上げる魅力に引かれ、一橋大在学中の18年にハトノスを興した。2年前には勤めていた会社を辞め、今は演出助手や照明の仕事をしながら活動を続けている。
戦争の悲惨な体験など「広島の訴えるエネルギー」への高い関心から、これまで被爆電車や大久野島の毒ガス工場も取り上げてきた。4作目となる「ピカ」の上演を前に、より多くの人に「8月6日を特別な日だと感じてもらうきっかけになれば」と願う。
出演は9人。被爆者を演じる尾道市出身の山中宏明さん(30)は「原爆の傷痕は今も残っていると知ってほしい」と話す。
小金井市の現代座会館で7回上演する。一般3500円、学生2千円。劇団のサイトから予約もできる。
(2024年6月9日朝刊掲載)
黒い雨被害者の救済拡大に道を開いた2021年の広島高裁判決の原告たちの葛藤を約1時間40分で浮かび上がらせる。事実を掘り起こした100歳の気象学者・増田善信さんや丹念な報道に努めた新聞記者たちの姿も描く。青木さんは広島にも出向き、平和記念式典に参列するなどして脚本をまとめた。
演劇との出合いは広島学院高時代。仲間と一緒に作品を仕上げる魅力に引かれ、一橋大在学中の18年にハトノスを興した。2年前には勤めていた会社を辞め、今は演出助手や照明の仕事をしながら活動を続けている。
戦争の悲惨な体験など「広島の訴えるエネルギー」への高い関心から、これまで被爆電車や大久野島の毒ガス工場も取り上げてきた。4作目となる「ピカ」の上演を前に、より多くの人に「8月6日を特別な日だと感じてもらうきっかけになれば」と願う。
出演は9人。被爆者を演じる尾道市出身の山中宏明さん(30)は「原爆の傷痕は今も残っていると知ってほしい」と話す。
小金井市の現代座会館で7回上演する。一般3500円、学生2千円。劇団のサイトから予約もできる。
(2024年6月9日朝刊掲載)