×

ニュース

ジェンダー視点で核兵器問題を解説 若者団体がアニメ制作

 核兵器問題をジェンダーの視点から解説したアニメーションを、関東の若者たちでつくる団体「GeNuine(ジェヌイン)」が制作。動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した。「被害の実態と構造がより見えてくることを、多くの人に知ってほしい」と願う。

 「入門!核兵器とジェンダー」と題する約5分半の作品。一部の国が核兵器依存に固執する背景には「男らしさ」を象徴する「力」の保持への意志があることを、保有国での言説などを例示しながら解説している。核兵器廃絶を目指す上での障害となっているさまを浮き彫りにする。

 被爆ゆえの結婚差別や原水爆禁止運動に女性が立ち上がった歴史も紹介。核兵器に関する国際会議は女性参加者が約3割で、意志決定を男性が握っている現状も示す。

 長崎市の補助金を受けて、昨年夏から制作を開始。被爆証言や学術論文を参考に、脚本作りや作画を進めた。GeNuine共同創設者で一橋大大学院生の徳田悠希さん(22)は「ジェンダー視点を通すことで、実態が可視化される差別や格差もある」と指摘。「核兵器に頼る構造を変えるきっかけをつくりたい」と力を込める。(小林可奈)

(2024年6月11日朝刊掲載)

年別アーカイブ