戦後の広島記録 写真デジタル化 市公文書館、南区の広告会社が寄託の35万点 昭和30年代の一部 28日まで展示
24年6月13日
広島市公文書館(中区)は、戦後の広島の歩みを記録した膨大なフィルム写真を広告会社みづま工房(南区)から寄託され、デジタル保存を進めている。旧市民球場の建設風景、市中心部の祭りなどを収めた約35万点。一部は、同館で28日まで開催中の企画展「広告屋が見てきたもう一つの広島」で紹介している。(長野葵)
みづま工房が1945年の創業時から2000年代にかけ、看板製作やイベント会場の設営に合わせて撮影した写真。企画展では、デジタル化の済んだ55~64年(昭和30年代)の約4万5千点のうち、よりすぐりの50点を展示する。
旧市民球場は、57年2月の起工式から同7月の落成までを丹念に記録している。本通り商店街での「広島まつり」(57年)、金座街の「七夕まつり」(61、63年)の写真からは、被爆地が活気を取り戻していく時代の熱気が伝わる。楽々園遊園地(現佐伯区、71年閉園)の菊人形展や海水浴場のカットも目を引く。
同館の芝田富祥館長は「行政が撮る形式的な写真と違い、民間のプロがさまざまな視点で撮影していて情報量も多い」と評価する。建設中の旧市民球場や、球場でのプロレスや盆踊り大会などの写真は貴重という。
フィルムは長らく、みづま工房の社内で眠っていた。田中竜二社長(60)が「昭和30、40年代の写真などは、時代背景や価値が分かる世代が健在なうちに整理しなければ」と考え、ノウハウのある同館に協力を求めた。
同館はこれまでに半分近くの約18万点を預かり、写り込んだ建物や看板から場所を特定しながらデータ化を進めている。データ保存した55~64年の写真のうち130点は、同館ホームページ上のデジタルアーカイブで閲覧できる。
企画展は午前9時~午後5時。入場無料。土日祝日は休館。
(2024年6月13日朝刊掲載)
みづま工房が1945年の創業時から2000年代にかけ、看板製作やイベント会場の設営に合わせて撮影した写真。企画展では、デジタル化の済んだ55~64年(昭和30年代)の約4万5千点のうち、よりすぐりの50点を展示する。
旧市民球場は、57年2月の起工式から同7月の落成までを丹念に記録している。本通り商店街での「広島まつり」(57年)、金座街の「七夕まつり」(61、63年)の写真からは、被爆地が活気を取り戻していく時代の熱気が伝わる。楽々園遊園地(現佐伯区、71年閉園)の菊人形展や海水浴場のカットも目を引く。
同館の芝田富祥館長は「行政が撮る形式的な写真と違い、民間のプロがさまざまな視点で撮影していて情報量も多い」と評価する。建設中の旧市民球場や、球場でのプロレスや盆踊り大会などの写真は貴重という。
フィルムは長らく、みづま工房の社内で眠っていた。田中竜二社長(60)が「昭和30、40年代の写真などは、時代背景や価値が分かる世代が健在なうちに整理しなければ」と考え、ノウハウのある同館に協力を求めた。
同館はこれまでに半分近くの約18万点を預かり、写り込んだ建物や看板から場所を特定しながらデータ化を進めている。データ保存した55~64年の写真のうち130点は、同館ホームページ上のデジタルアーカイブで閲覧できる。
企画展は午前9時~午後5時。入場無料。土日祝日は休館。
(2024年6月13日朝刊掲載)