緑地帯 アシュリ・サウザー ガザに思いを寄せて⑦
24年6月13日
広島では、平和に対するさまざまな考え方や、平和の追求の仕方を巡る意見が交錯する。原爆投下について米国が明確に謝罪する必要性を感じず、協力の未来を築くことに焦点を当てるのを好む人もいる。
過去の出来事への非難に焦点を当て過ぎることが、未来への障害になることは同意できる。しかし、原爆慰霊碑の碑文「過ちは繰返(くりかえ)しませぬから」を真剣に考える人々の間では、少なくとも原爆投下が過ちであったことを認める必要がある。
米国は、残念ながら広島に原爆を投下したのと同じ考え方を持ち続けていることを証明した。イスラエルは、世界で最も人口密度の高い地域の一つであるガザ地区へ、米国が開発した超大型の2千ポンド(907キロ)爆弾を多用したことが報じられている。イスラエルの戦争犯罪に加担し、爆弾を提供する米国は、今も「過ち」を繰り返しているというしかない。
そこには、国の政治的・戦略的優位の確保は人命よりも価値があるという思考がある。ヒロシマが、人類が初めて手にした核兵器の実験であったように、ガザでの戦争もまた実験なのだ。国際人道法の時代に、どのようにジェノサイド(民族大量虐殺)を行い得るか、という。
もし私たちが、このような実験を犯罪として告発し、その背後にあるヒロシマをもたらした思考様式に反対することができなければ、誠意を持って「ノーモア・ヒロシマズ」と主張することはできない。 (武田中・高教諭=東広島市)
(2024年6月13日朝刊掲載)
過去の出来事への非難に焦点を当て過ぎることが、未来への障害になることは同意できる。しかし、原爆慰霊碑の碑文「過ちは繰返(くりかえ)しませぬから」を真剣に考える人々の間では、少なくとも原爆投下が過ちであったことを認める必要がある。
米国は、残念ながら広島に原爆を投下したのと同じ考え方を持ち続けていることを証明した。イスラエルは、世界で最も人口密度の高い地域の一つであるガザ地区へ、米国が開発した超大型の2千ポンド(907キロ)爆弾を多用したことが報じられている。イスラエルの戦争犯罪に加担し、爆弾を提供する米国は、今も「過ち」を繰り返しているというしかない。
そこには、国の政治的・戦略的優位の確保は人命よりも価値があるという思考がある。ヒロシマが、人類が初めて手にした核兵器の実験であったように、ガザでの戦争もまた実験なのだ。国際人道法の時代に、どのようにジェノサイド(民族大量虐殺)を行い得るか、という。
もし私たちが、このような実験を犯罪として告発し、その背後にあるヒロシマをもたらした思考様式に反対することができなければ、誠意を持って「ノーモア・ヒロシマズ」と主張することはできない。 (武田中・高教諭=東広島市)
(2024年6月13日朝刊掲載)