『ひと・とき』 詩人 高木いさおさん 8月6日 詩の力を信じて
24年6月18日
「忘れてはいけないことは/決して忘れてはいけない」(「8月6日」)。5月下旬、4日間にわたって原爆ドーム(広島市中区)の前で自作の詩「8月6日」など4編を印刷した紙を配布した。大阪府枚方市在住。子どもにも読めるよう平易な言葉遣いで命や平和などをテーマに詩を作り、これまでに11冊の詩集を刊行している。
「幼い頃からヒロシマに思いを寄せてきた」と振り返る。母が尾道市出身で、父は旧陸軍船舶部隊(通称暁部隊)に所属し、原爆投下後の広島で救援活動に当たった。
2011年8月6日、マツダスタジアム(南区)であったピースナイターで「8月6日」が朗読された。「ヒロシマへの思いが何万人にも届いた」と手応えを感じた。「被爆詩人の峠三吉は作品『八月六日』に『忘れえようか』とつづった。被爆者でない私は決意を込め『忘れてはいけない』と書いた」
15年にもドーム前で自作を印刷した紙を観光客たちに手渡した。今回はタブレット端末も併用し、一人一人とゆっくり会話を交わした。「原爆を直接体験していない世代は、記憶を伝承する努力が必要になる。世界で核兵器の脅威が高まっていると感じる。詩の力を信じて、平和を願う思いを広めていきたい」(仁科裕成)
(2024年6月18日朝刊掲載)
「幼い頃からヒロシマに思いを寄せてきた」と振り返る。母が尾道市出身で、父は旧陸軍船舶部隊(通称暁部隊)に所属し、原爆投下後の広島で救援活動に当たった。
2011年8月6日、マツダスタジアム(南区)であったピースナイターで「8月6日」が朗読された。「ヒロシマへの思いが何万人にも届いた」と手応えを感じた。「被爆詩人の峠三吉は作品『八月六日』に『忘れえようか』とつづった。被爆者でない私は決意を込め『忘れてはいけない』と書いた」
15年にもドーム前で自作を印刷した紙を観光客たちに手渡した。今回はタブレット端末も併用し、一人一人とゆっくり会話を交わした。「原爆を直接体験していない世代は、記憶を伝承する努力が必要になる。世界で核兵器の脅威が高まっていると感じる。詩の力を信じて、平和を願う思いを広めていきたい」(仁科裕成)
(2024年6月18日朝刊掲載)