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連載・特集

緑地帯 東繁春 ロサンゼルスの日本文化①

 昨年、25周年を迎えたロサンゼルスの英字メディア「カルチュラル・ニュース」は最初、タブロイド判8ページの月刊紙として創刊された。

 編集長である私は呉市出身で、関西で建設業界紙の記者を経験した後、1981年に渡米した。運よくロサンゼルスの日刊日本語新聞の記者として採用され、日本での記者実績が認められて、米国の永住権を得ることができた。

 その後、サンフランシスコの日刊日本語新聞の記者、またロサンゼルスに戻って日本の新聞社の特派員助手の仕事をした。6年間、旅行業界で働いた後、日本の通信社の日本語ニュースを配信する仕事に5年間携わった。このとき通信社にプレスリリースという英文情報が大量に届いていることがわかった。

 通信社との雇用契約が切れたとき、プレスリリースを編集すれば、新聞を発行できると思い立った。そして始めたのが「カルチュラル・ニュース」だった。カルチュラル(文化の)新聞と名付けたのは、ワシントンが政治、ニューヨークが経済の中心地なら、ロサンゼルスは米国の文化の中心地ではないか、という発想だった。

 だから、日本文化をこの新聞の中心テーマにするという構想は当初はなく、できるだけ多く、日本に関する英文ニュースを集めようと考えていた。(ひがし・しげはる カルチュラル・ニュース編集長=米ロサンゼルス、呉市出身)

(2024年6月19日朝刊掲載)

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