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英訳企画 中高生が翻訳 福山のバラ題材の絵本「ゆうちゃんとまほうのばら」 世界会議でパンフ配布

 福山市で国際交流ボランティアに携わる住民有志が、ばらのまち福山を題材にした絵本「ゆうちゃんとまほうのばら」の英訳プロジェクトを始めた。英語の得意な市内の中高生が参加し、翻訳を手がける。来年の世界バラ会議福山大会のゲストに、日本語と英語を併記した絵本のパンフレットを持ち帰ってもらう計画だ。(原未緒)

 「ゆうちゃんとまほうのばら」は、1945年の福山空襲で荒廃したまちに潤いを取り戻そうと、市民が現在のばら公園に千本のバラを植えた実話に基づくストーリー。2012年に手城学区の住民たちが作った。

 市内で13~19年にあった青少年の国際交流事業の通訳ボランティアで親交を深めた福山、三原市の住民6人が、3年ほど前に団体「Rose FIG(ローズ・フィグ)」を結成。市民がバラに込めた平和への願いを世界に広めようと、絵本の英訳を企画した。

 英検3級以上の資格を持つ福山市内の中高生たちに参加を呼びかけ、28人が加わった。7月から作業に取りかかり、来年3月の完成を予定する。2千部を作り、バラ会議で福山を訪れる国内外のゲストやボランティア、市内の学校に贈る。

 祖父母が福山空襲を経験したという同団体代表の沢山美絵さん(46)=同市大門町=は「戦後の福山にバラを植えた市民の気持ちを若者に想像してほしい。プロジェクトへの参加が、平和や国際交流に向けた一歩になれば」と中高生たちに期待する。

 広報担当の会社役員池田潤治さん(73)=同市南蔵王町=は「戦争や紛争が相次ぐ今だからこそ、各国の人に絵本を持ち帰ってもらい、優しさや思いやりの『ローズマインド』を広げたい」と意気込んでいる。

(2024年6月21日朝刊掲載)

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