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平和の願い込めカキ殻シーサー 大崎上島の特別支援学校生 慰霊の日の沖縄 催し会場に

 沖縄慰霊の日の23日に沖縄市内である平和イベントのステージに、三原特別支援学校大崎分教室(大崎上島町)の全児童生徒7人で作ったシーサーが飾られる。材料にカキの殻を使用し、広島らしさを表現。メッセージも記し、平和への願いを発信する。(渡部公揮)

 シーサーは2体あり、いずれも高さ約60センチ、幅約30センチ。廃棄予定のバケツやペットボトルなどで作った骨格に、カキ殻をひもや接着剤で取り付けた。1体につき殻を80個ほど使用しているという。裏返した一部の殻に「この世界から戦争と核兵器がなくなりますように」などのメッセージを書いた。

 イベントは、平和をテーマにしたファッションショー。2019年に広島市内で始まり、平和を希求するデザイナー鶴田能史(たかふみ)さん(42)が折り鶴を活用した衣装などを手がける。カキ殻シーサーは折り鶴で彩るランウエーに配置されるという。

 4月中旬、イベントを支援する町民から分教室に制作の打診があった。高等部3年土井海都さん(17)が町内でカキ養殖を手がける「ファームスズキ」で職場実習をしている縁で殻を譲り受け、教諭の協力も得て約1カ月で完成させた。土井さんは「顔のバランスにこだわった。みんなが笑顔で過ごせるようにとの願いを込めた」と話す。

 児童生徒は当日、オンラインでショーを見守る。高等部1年山根湊大(そうた)さん(16)は「大崎上島を知ってもらうきっかけにもなってほしい」と期待する。

(2024年6月22日朝刊掲載)

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