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連載・特集

緑地帯 東繁春 ロサンゼルスの日本文化⑥

 ロサンゼルスにおける日系人の日本文化活動には、南カリフォルニアとアリゾナ州で計15の寺を管轄する浄土真宗本願寺派の南部教区が大きな役割をはたしている。中でも、太鼓ブームと盆踊り普及の先導役が、ロサンゼルス・ダウンタウン近くにある洗心(せんしん)寺だ。ロサンゼルス最初の和太鼓グループ緊那羅(きんなら)太鼓は1969年に結成された。70年代には緊那羅雅楽が誕生し、現在も演奏活動が続いている。

 洗心寺のミニスター(住職)である古本竜太さん(50)は、広島市佐伯区五日市町の出身。海外とのビジネスに役立つと考え、龍谷大で海外開教使のプログラムを取った。その後、広島仏教学院で浄土真宗の僧侶の資格を得て、99年にハワイ・ヒロに派遣。アリゾナ州フェニックス、サンフランシスコ近郊サンマテオの各仏教会を経て、2013年から洗心寺のミニスターを務めている。

 毎週日曜、午前10時からの説教には60~80人が参加する。そのほとんどは親や祖父母の代から仏教会に所属しているが、現在はロサンゼルス郊外に住んでおり、車で1時間以上かけて来る人もいる。

 洗心寺では毎年6月中旬から4週間、小学生を対象にサマースクールを開いて英語や算数の教科、そして料理などの日本文化を教えている。サマースクールの先生は、洗心寺が直接リクルートした現役の小学校教師が担っている。(カルチュラル・ニュース編集長=ロサンゼルス、呉市出身)

(2024年6月26日朝刊掲載)

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