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核禁条約会議 日本も参加を 被爆者7団体 8・6要望を議論

 広島の被爆者7団体は2日、原爆の日に政府へ要望する内容を広島市役所で打ち合わせた。来春開かれる核兵器禁止条約の第3回締約国会議へのオブザーバー参加などを求める意見をまとめた。

 7団体の代表者たちが、8月6日に市が開く「被爆者代表から要望を聞く会」で岸田文雄首相に直接訴える内容を議論した。総意として、岸田首相が昨年の会で核兵器保有国を禁止条約に関与させるのが日本の責任とした点に触れ「それにはわが国が条約に近づかなければならない」と迫ると確認。被爆者の高齢化への危機感を示し、援護の拡大も促す。

 一方、昨年5月に市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)がまとめた核軍縮文書「広島ビジョン」が物足りず、先月のイタリアでのサミットもそれを「想起する」にとどまった点を協議。ロシアのウクライナ侵攻などが続く中で「事態の悪化を許してきた責任の一端は被爆地でのサミットにあるのではないか」との一文を加える意見が出たが、誤解を招くとして見送った。

 団体別の要望では、広島県被団協(箕牧(みまき)智之理事長)が家族を失いながら援護を受けられない「原爆孤児」への補償など6項目を列挙する。もう一つの県被団協(佐久間邦彦理事長)は原爆投下後に降った放射性物質を含む「黒い雨」被害者の早期救済などを伝える。(下高充生)

(2024年7月3日朝刊掲載)

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